「三国湊 CHIKAMATSU 祭り!」
NPO法人三国湊魅力づくりプロジェクトが主催する、「三国湊 CHIKAMATSU 祭り!」に行ってきました。このプロジェクトは、正確に言うと、近松門左衛門の原作を現代版として製作した演劇公演「けいせい仏の原」と「三國湊CHIKAMATSU祭!-文学の道-」の2つから構成されています。
演劇公演「けいせい仏の原」は、演出家・中島陽典氏と、東京から5名+三国から5名の俳優が40日間に渡ってレジデンス製作がなされました。会場のみくに文化未来館には、開場時間よりもかなり早くから年配の方からデートっぽいカップルまでの住民が集い、キャパ300名のホールは満席。3方向に花道が取られたステージで繰り広げられる、三国を舞台とした物語は観客を引き付けて離さず、笑いあり残酷ありの近松の世界に、幕切れでは大きな拍手が長く続いていました。
「三國湊CHIKAMATSU祭!-文学の道-」は、三国の新しい観光のシンボル「三國湊きたまえ通り」周辺のお店や家の前に、三国にゆかりのある文学者・俳人約40人の作品のフレーズや句から作成した赤い”のれん”を展示してあり、地図を片手にまち歩きを楽しむ観光客が見入っていました。
三国は、平成16年度より「福井県地域ブランド創造活動推進事業」として、福井県より認定・補助を受け活動していて、大正時代の銀行跡や”かぐら建て”といわれる様式の町屋などの歴史的町並みに加え、地元の食材を使ったジェラート専門店「カルナ」、まちづくり拠点「三國湊座」が加わったまちづくりが行われています。こうした点で、地域の芸術文化活動が周囲の環境と相乗効果によって引き立つ舞台づくりが非常に周到に行われているのが印象的でした。
「三國湊CHIKAMATSU祭!-文学の道-」の”のれん”を見て回るのに街中を隅々まで歩き、郷土資料館となっているエッセルの手による建築の”龍翔館”で資料を集め、図書館で三国町史を調べ、さらには東尋坊まで歩き、まさに足で稼いで実感いたしましたが、中世から北陸の海運の要所として栄えた三国は、豪商による地域貢献も歴史が長く、花街としての粋の伝統、三好達治や小野忠弘といった文化人が集った歴史等、文化的な土壌が豊か。歴史、風土、文学、グルメ、まちづくりetc.特筆することが多すぎて、800字のドキュメントにまとめることができるか、ひっじょーに不安を覚えつつも、三国の海水を炊いて採取したという塩(どこかで聞いたことがあるような作業デスネ・・・)を使った「カルナ」の超美味な塩ジェラートや、名産の鯖の糠漬け”へしこ”を堪能した三國湊モニタリングでした。(検証チーム・下山)
※画像=三国出身の遊女にして俳人として知られる哥川(かせん)の句を配したのれん。
空間実験室2007へ
空間実験室2007はギャラリー、カフェ、ショップ機能を持ったスペース。クリエイターの創作活動発表の場として機能する他、ワークショップやイベントなども精力的に企画・開催しています。
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到着してまず驚かされるのが建物の外壁に施されたカラフルなペインティングです。空き店舗であったところを自らの手で年々少しずつリノベーションして作られた内部空間は、かつての場の記憶をうっすらと匂わせつつも、白を基調とした落ち着きのあるお洒落なスペースとなっています。パステル調の家具は「男学校」のみなさんの手作りだそう。あちこちに感じられる「人」の存在が場所に温かみを持たせているのかもしれません。
モニタリング前日はこれから半年に渡って開催される展覧会のオープニングパーティーが開催されていました。出展数は毎年増えており、今年は前年に比べて3週間も長くなっているとのこと(なんと19週連続!)。スタッフの方をはじめとし、出展者の方、近所の方など大勢の人でカフェスペースはすごい熱気に包まれていました。
この日も3階のギャラリーでは村上明栄さんとYuiさんの二つの展覧会が開催されていました。色鮮やかな絵画群と、コミュニケーションがテーマの温かみあるインテリア。双方共に、ただ作品を並べるのではなく、細かなところにまで丁寧な気持ちが行き渡っているのが感じられる展示でした。空間実験室は基本的にギャラリー使用の申請は断らないのだそう。けれど、何がやりたいのか芯がしっかりしていないものは厳しくダメだしをしていく。スタッフと出展者が共に試行錯誤しながら展示を作り上げていくという方針は、よくある「レンタル料を払って展示が終わったらサヨウナラ」の貸しギャラリーとは全く異なります。
「アーティストの気持ちの発露の、最初のひとしずくを貰うという感覚。」
そうおっしゃるのは男学校校長の日沼智之さん。そこに辿り着くために必要なのが「会話」であり、それを積み重ねることによって、「スタッフ」・「出展者」の線引きはなくなり個人的な関係が築かれていくのだそうです。スタッフのみなさんのお話や、訪れた人があちこちで会話を交わす様子からも、「会話」は空間実験室のひとつの大きなキーワードであるように感じました。
モニタリング当日は、空間実験室実行委員長の日沼禎子さんからお話を伺った後、男学校の日沼さんに近隣を案内して頂きました。「空間実験室に行こうと思って道に迷ってしまった人が、周辺の人に場所を尋ねながら辿り着くことができた」という日沼禎子さんから伺ったエピソードをはじめとして、日沼智之さんが近所の方々となにげなく会話を交わされる様子は、場が外にむかって開かれていることを感じさせられるものでした。空間実験室の「《仕掛ける》のではなく、少しずつ《一部分になっていく》」という地域に対する姿勢は拠点のあるなしに関わらず、多くのアートプロジェクトに示唆を与えるものだと思います。
家族のように迎えてくださった日沼禎子さん、日沼智之さんをはじめ、事務局の吉町さん、スタッフ・出展者のみなさん、お忙しい中本当にありがとうございました!(検証チーム・八重樫)
