めくるめく紙芝居2007
近江八幡に伺った翌日、「めくるめく紙芝居2007」のモニタリングに伺ってきました。主宰の井手上さん、ボランティアスタッフの小笠さんと平井さん(お二人とも京都橘大学)にお話を伺い、その後現在進行中のワークショップに参加させていただきました。
このプロジェクトは、アーティストの林加奈さんの発案でスタートし、井手上さんの「エイブルアートのマネジメントを考えたい」という考えと合致し、昨年2006年にスタートしました。NPO法人わくわくの知的障害を持つメンバーと、アーティストのコラボで、「紙芝居」を基調とした舞台作品の上演に向けて、ワークショップが進められています。「知的障害を持つメンバーのパワーがすごい!」という林加奈さんにより、山下残さん、井上信太さん、HANA★JOSSというアーティストが声をかけられ、アーティストチームも強力です。
「めくるめく紙芝居」では、昨年の上演にあたり、障害者が出演する公演の詳細なマニュアルを作成しているという点がすばらしいと思いました。出演者・観客ともに障害者が多い公演ならではの安全配慮等を、ボランティアスタッフとミーティングを重ねながらブラッシュアップし、当日スタッフにも配布したそうですが、このようなマニュアルは、エイブルアートが盛り上がっている現在でも、他所では作られていなかったとのことです。ワークショップの記録も細かくされていて、非常に緻密にマネジメントされているプロジェクトです。実施にあたっては、徹底的に障害を持つ人の生活の場に足を運び、障害を持つ人の世界を理解することにつとめたということで、公演フライヤーのデザインひとつとっても、障害を持つメンバーの意見を丁寧に聞き反映させたものを製作されていました。
京都市山科身体障害者福祉会館に場所を移し、林加奈さんによるワークショップに。以前、コミュニティアート・ふなばしで、野村誠さんのワークショップを実施していたときや、イベントにP-ブロッに出演いただいたときにも林さんとは面識があったのですが、林さんリードのワークショップは初体験です。参加者は、障害を持つメンバー(20代-50代)とサポートスタッフが半々で約20名。
今年の「紙芝居」は、”巻物”スタイルということで、会場には障子紙が広げられ、アクリル絵の具が用意されます。また、おもちゃや民族楽器などなど、さまざまな楽器がマットの上に広げられ、皆さん思い思いに手にしたりしなかったり・・・。
「いつになったら始まるのかなぁー?」と思っていたら、明確な”開始”の合図も、”終了”の合図もない展開に正直とまどいました。
途中も、林さんからの指示はなし。皆がそれぞれ絵を描いたり、楽器を鳴らしたり、ただ寝っころがっているだけだったり。それがいつの間にか、歌いはじめる人、さらには踊りはじめる人が出てきたり、となんだかわからないうちにすごい盛り上がりに。
後で林さんに伺ったところ、現時点は、2回目の公演に向けたワークショップが始まったばかりで、昨年から継続して参加しているメンバーと新規メンバーのノリに差があるので、参加者の”得意わざ”をよく見たり、参加をすこしずつ促すためのいわば”ネタ出し”の段階なので、あえて構成をしない形態のワークショップにしているとのこと。緻密な観察と配慮によって設計されたゆるさということで、ワークショップリーダーとしての林さんの力量がよく分かるお話でした。
めくるめく紙芝居2007は、来年3月の公演に向けて、ワークショップを重ねていくということです。本番では何がおきるのか、楽しみです。
お忙しいなか、インタビューにお付き合いいただいた井手上さん、小笠さん、平井さん、そして林さん、ありがとうございました!(検証チーム・下山)
