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レポート 2015.08.30

2015交流支援プログラム レポート04 シンブンシャ・プロジェクト←非公式物産展


2015交流支援プログラム、4番目のレポートを紹介いたします。

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<開催概要データ>
[企画名]ささやかな興味を物語としてつなぐ
[実施日]2015年8月11日(火)〜8月14日(金)
[招聘者]皆川俊平(シンブンシャ・プロジェクト【栃木県】)
[訪問者]大村みよ子(非公式物産展【全国各地で展開】)

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<レポート>

5月より打ち合わせを行ってきた『シンブンシャ・プロジェクトの非公式足尾三角くじ』を、8月13日の「足尾町納涼祭」会場にて実施した。具体的には、シンブンシャ・プロジェクトで収集してきた「誰のタメになるのか分からない私たちの些細な日常の話」をもとに非公式物産展の提案による「三角くじ」を共同で制作。くじの内容(情報)から想起された色・匂い(例:体育館、カッパ、など)から、その人だけのキャンドルをイメージしてつくる、というもので、祭りの屋台として出店した。

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Photo:Yukikoh Okura

偶然性によるくじでは収集した情報を網羅的に把握することはできないが、中学生達が捉えている現在の町の様子が断片的に得られる。「三角くじ」は、シンブンシャに参加する中学生にとって馴染みのない「新しいもの」であり、情報の偶然性も相まって、町の歩んだ既知(可視)の歴史と目には見えない現在という距離感や浮遊感が示されているように感じられた。それは相互に共有してきた設営イメージにも反映されていた。
また、当初の想定にはなかったが、シンブンシャと非公式物産展の屋台の隣では、早稲田大学の社会学チームによる足尾銅山閉山後の街並みの変遷などを調査した研究報告が展示されていた。早稲田大学のチームとは事前にささやかな交流の場を持てたが、このような機会が生まれたことは、祭りが交流の場として地域に息づいていることを実感させるものであった。
シンブンシャのメンバーは小学生の頃からさまざまな企画を足尾町納涼祭で行ってきたが、「中学生として」半ば強制的に祭りに「協力」しなければならない場面が増えている。人口の減った町の現状としてしかたなく、また祭りの継続としては重要なことかもしれないが、これにより時間的制約も増え、本来の主体的な、自分たちの考えた企画を祭りで実行しづらくなっていることが多少なりともストレスとなっていたようである。が、むしろそれは祭りが「誰のものなのか」、当事者としての意識が今も持続されていることを表しているようにも思えた。祭りという形態の継続なのか、それとも当事者意識の持続なのか、考えさせられるところがあった。
(皆川俊平)

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Photo:Runa Sato

直利音頭(足尾発祥の盆踊り)の太鼓が長かったり、今やっている映画製作の話し合いもあって、納涼祭の日は「三角くじ」のことをもっとやりたかった。お祭りは遊ぶだけよりも何かを企画して参加する方が楽しいと思った。
大村さんと温泉でソフトクリームを食べて話したり、一緒にご飯を食べたり、短い期間だったけれどいい夏休みだった。これまでいろんな人と一緒にやってきて、面白い人もいたけどつまらない人もいて、でもアイデアが広がるのが良いと思う。大村さんと一緒にやるのは楽しかったのでまた足尾に来て欲しい。
(佐藤るな)

自分が考えた情報が他の人に伝わっていくのがうれしいと感じました。ただ、私はくじの内容を文章で表すのではなく、全部絵だけにした(シンブンシャメンバーごとに10案、全体で50案程度のくじを作成した)のですが、中学生には面白くても小さな子供だと意味がわかりにくかったかもしれません。情報の意味がちゃんとわからないとキャンドルづくりが難しかったのではないかと思いました。
大村さんと一緒に準備をしてきたことは楽しく、もっと話をしたいと思いました。また一緒にやってみたいと思っています。去年はガチャガチャの機械を使って植物の種を販売したこともあったので、同じようにくじを町のいろんな場所に設置してみようと考えてみたり、くじの内容を増やしてシンブンシャにたくさん置いてみたらどうだろう、と考えています。
(星楓)

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Photo:Shumpei Minagawa

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<タイムテーブル>
事前準備期間
◎5月|下見(非公式物産展による現地下見、各メンバーの顔合わせ)
◎7月|実施内容の詳細の決定、現地打ち合わせ
    くじ内容の作成(星楓、荻原理羽、池口桃音、秋田和奏、皆川俊平)
実施期間
◎8月11日(火)
15:00~17:00:イベント実施準備・制作
会場|栃木県日光市足尾町松原地区
内容|「足尾町納涼祭」のブース制作に向けての準備
参加者|非公式物産展:大村みよ子
    シンブンシャ・プロジェクト:佐藤るな・星楓・荻原理羽・神山慧斗・皆川俊平
◎8月12日(水)
13:00~17:00:イベント実施準備・制作
会場|栃木県日光市足尾町松原地区
内容|「足尾町納涼祭」のブース制作に向けての準備
参加者|非公式物産展:大村みよ子
    シンブンシャ・プロジェクト:佐藤るな・星楓・荻原理羽・皆川俊平
20:00~22:00:地域の方との交流
会場|栃木県日光市足尾町下間藤地区
内容|下間藤地区にある「金沢屋」店主宅にて夕食会・バーベキュー
参加者|非公式物産展:大村みよ子
    シンブンシャ・プロジェクト:佐藤るな・岡田翔・皆川俊平
    その他:早稲田大学社会科学部 周藤研究室、佐藤貴宏、大倉由記香
◎8月13日(木)
14:00~16:00:イベントブース「シンブンシャ・プロジェクトの非公式足尾三角くじ」の設営
会場|栃木県日光市足尾町通洞地区(足尾町納涼祭会場)
内容|「足尾町納涼祭」にてブース設営
参加者|非公式物産展:大村みよ子
    シンブンシャ・プロジェクト:佐藤るな・星楓・荻原理羽・皆川俊平
16:00~21:00:イベントブース「シンブンシャ・プロジェクトの非公式足尾三角くじ」の実施
会場|栃木県日光市足尾町通洞地区(足尾町納涼祭会場)
内容|「足尾町納涼祭」にてブースを実施・運営
参加者|非公式物産展:大村みよ子
    シンブンシャ・プロジェクト:佐藤るな・星楓・荻原理羽・神山慧斗・明神芹香
                  池口桃音・秋田和奏・岡田翔・皆川俊平
    その他:圓山和幸、佐藤貴宏、大倉由記香

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<執筆者プロフィール>
皆川俊平|WATARASE Art Project 代表 / 東京芸術大学絵画科油画専攻 非常勤講師
     2009年度よりシンブンシャ・プロジェクトのコーディネートに関わる。
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佐藤るな|シンブンシャ・プロジェクト部長 / 日光市立足尾中学校3年
星楓|シンブンシャ・プロジェクト副部長 / 日光市立足尾中学校2年