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レポート 2012.12.21

AAF Café vol11「政治とアートとまちづくり」レポート

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12月09日、3331 Arts Chiyodaにて、NY在住の社会活動家、パンクミュージシャンのエリック・ライルさんをお招きして、AAF Café vol11「政治とアートとまちづくり」を開催しました。

今回のCafeは、エリックさんを日本にお呼びした堀田真紀子さん(北海道大学メディアコミュニケーション研究院現代芸術文化論)からお声をかけていただき実現したもの。堀田さんは、どこからの援助をうけることもなく草の根からはじまった社会運動を、ギャラリーを本拠地にしたアートプロジェクトに発展、着地させたライルさんの実践にコミュニティ・アートの原初型を見出し、注目されたといいます。

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今回のエリックさんのお話の大きなテーマは、ジェントリフィケーション。最初に、マイアミでのアートバーゼルの実施とそれに伴う、変化についてお話いただきました。コミュニティの外からアーティストを招き、グラフィティを描いてもらうなどのイメージ戦略によって、土地が高騰しはじめ、もともと住んでいた住人たちは家賃があがり、そのまちから出て行かざるを得なくなる状況が生じている。
そうした状況に対して、市民が立ち上がり、使っていない土地をスクウォットし、貧しい人たちに居住地を提供する「UMOJA」という団体が活動しはじめている。

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エリックさんの拠点であったサンフランシスコ(現在はNYを拠点としている)でも、同じようにジェントリフィケーションの結果、アーティストたちがまちに住めなくなる現象がおきている。そこで、2001年に16年間使用されていなかった工場跡地をスクウォットして「949 MARKET」というプロジェクトを30人のアーティストと共に3ヶ月の期間限定で実施。その後、2012年の5月、6月にも「STREETPIA SF」というプロジェクトを実施。無料で朝ごはんを食べられるようにしたり、食べ物をみんなでつくって一緒に食べるスペースを設けたりと、お金がなくても集まれる場所をつくることを核としながら、音楽イベントやラジオ番組の発信、ポエトリーリーディングなどのイベント。まずしい子供たちに縫い物を教えて、服をリサイクル、販売し、利益を得られるようにするワークショップの実施など、市民自ら利益を得るための仕組みづくりにも奔走した。

「STREETPIA SF」の資金源は、企業や行政などの支援は一切受けることなく、30部限定のアートブックを制作し、販売した資金を元にした。できるだけ現金の授受ではなく、労働とものとの交換など、金銭の介在しないやりとりでのプロジェクト運営を試みたといいます。

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エリックさんのお話の後に、堀田さんと芹沢高志がモデレーターとして加わり、トークセッションを開始。freeという言葉をどのような意味で用いられているか、という質問に対して、「freeというのは、無料の他に自由という意味がありますが、その2つの意味で使っています。哲学的な意味での「free」の実践をしたいと考えました」と応えられていたのが印象的でした。

会場にお越しいただいたみなさま、エリック・ライルさん、堀田真紀子さん、そしてすばらしい通訳をしてくださった三浦勢津子さん、本当にありがとうございました!