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レポート 2012.03.09

2011交流支援プログラムレポート12 「車座座談会 〜地域を継ぐ 地域が繋ぐ "まつり"と"アート"〜」


AAF参加団体、ネットワーク団体の担当者が交流する「地域間交流支援プログラム」。今回のレポートは2011年10月に「舞鶴RB」を訪ねた「アートNPOヒミング」の高野織衣さんです。
 
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<レポート>
初めて降り立った舞鶴駅。そこは、にぎやかな街といった様相で、ここが本当に海の側なのかと思うほどだった。しかし、車で5分もすると、赤煉瓦倉庫が見え、その向こうに穏やかな湾が広がっていた。そこは、氷見が面する富山湾とは全く違った文化や雰囲気を持っており、行われているアートプロジェクトは舞鶴の場所と密接につながったものだった。

舞鶴は、軍港から発展した東舞鶴と、田辺藩の城下町・商港から発展した西舞鶴から構成されている。かつて軍の倉庫として使われ、現在、国の重要文化財となっている赤煉瓦倉庫12棟を守る目的で、赤煉瓦倉庫保存会が設立され、そこから発展して舞鶴RBが生まれ、今にいたるそうだ。

赤煉瓦倉庫という抜群のロケーション。その芝生の広場が、ワークショップの基地となっていた。漁網の編み方をヒントに生まれた「種衣をつくるワークショップ」は、春から学校や施設で幅70センチほどの網を縫ったものを、つなぎ合わせ大きな一枚の網にしていた。ただ網を縫うのではなく、カラフルな糸を使いビジュアル面も重視し、またそれを10mの高さから展示しながら、一枚の網としてつなぎ合わせており、展示物としても優れていた。それは、活動を"見せる"ことをねらい、参加者にやる気を持たせるのに必要なことと思える。

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また、活動に集まる主なメンバーは、それぞれに責任や担当があるわけではないが、逆にそのため、自主的に集まり自由に活動できているように感じられた。なにか事を成そうとすると、それぞれが責任を持ち、その目標に向かってうごくが、舞鶴RBにはそういった義務感が少なく、参加者が楽しんでいるように見える。それは、活動の内容を組み立てる森真理子さんの力ではないだろうか。

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森さんとスタッフの方に、車で舞鶴を案内していただいた。舞鶴の東側から西側へ移動すると、雰囲気が全く違う。赤煉瓦がある東舞鶴は、軍の施設があるために、秘密めいた独特な雰囲気がある。西側は、昔ながらの城下町といった雰囲気で、川沿いに民家が建ち並び、豊かな文化があるように感じられる。

2日目、ワークショップに参加し、お昼ご飯をどうしようかと話していると、広場のすぐ前に遊漁船を停めている、田中さんが通りかかった。すぐに、田中さんの船で舞鶴湾をクルージングしながら、お弁当を食べることが決定し、出発した。海からみた舞鶴は、思っていた以上に入りくんだ地形だった。ここが軍の基地として利用される理由がわかる。また、海岸線には、大きな造船所が立ち、いくつもの戦艦も岸に停泊していた。改めて、この場所と船のつながりを強く感じ、ここで船を作るプロジェクトを動かす意味を感じた。また、軍の施設が多く、住んでいる人もその仕事をするために、外から来た人が多いとも聞いた。その人たちをつなぐアートプロジェクトとして、舞鶴RBの活動が行われており、その価値を実感する。

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<開催概要データ>
[企画名]「車座座談会 〜地域を継ぐ 地域が繋ぐ "まつり"と"アート"〜」
[実施日] 2011年10月22日(土)〜23日(日)
[招聘者]舞鶴RB【京都府舞鶴市】
[訪問者]NPO法人 アートNPOヒミング【富山県氷見市】

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<タイムテーブル>
◎10月22日(土)
14:00~17:00  ワークショップ、赤煉瓦倉庫を見学
会場:赤煉瓦倉庫付近
網を編むワークショップを見学し、赤煉瓦倉庫の中と連なる赤煉瓦倉庫群を歩き、場所の歴史を伺う

18:00~19:00  東西舞鶴ドライブツアー
ルート:東舞鶴→西舞鶴→東舞鶴
活動のフィールドである、西舞鶴と、東舞鶴を車で案内していただく。自然・文化を短時間で感じるドライブの実施。

19:00~23:00  交流会
会場:yashima art port
東舞鶴の八島商店街の空き家を改修したMAIZURU RBの拠点で、コアメンバーが集まって交流会を開いていただいた。地元名物の肉じゃがをいただく。

◎10月23日(日)
9:30〜12:00  「種衣をつくるワークショップ」参加
会場:赤煉瓦倉庫前
船の上部にあたる、通称「種衣」を漁網の編み方をヒントに、手編みで制作。

12:00〜14:00  船で舞鶴湾クルーズ
会場:舞鶴湾
舞鶴RBに関わっている田中さんの船で舞鶴を海から見る。また、舞鶴特有の入り組んだ湾の複雑さを体感。

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<執筆者プロフィール>
高野織衣/富山県氷見市在住。NPO法人 アートNPOヒミング代表。ニューヨーク市立シティーカレッジで映像を専攻。TV番組のディレクターとして番組制作をしながら、ヒミングの事務局も担当。2008年、それまで夏のイベントとして開催して来たヒミングを、年間を通して活動を行うNPOとし、2009年法人化。現在に至る。