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レポート 2012.02.29

2011交流支援プログラムレポート09「廃校・廃屋活用調査」(岡山県総社市編)


AAF参加団体、ネットワーク団体の担当者が交流する「地域間交流支援プログラム」。今回のレポートは「隠岐アートトライアル実行委員会」の松浦道仁さん。「廃校・廃屋活用調査」の後編です。
 
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<レポート>
西ノ島町の「旧美田小学校廃校活用」を目指して、前日は愛媛県松山市中島「旧中島東小学校」を見学し、次に、廃屋活用プログラムの「池上会議」に参加しました。10月8日から11日まで開催された「池上遊覧鉄道」(主催: NPO法人 ハート・アート・おかやま)でのプログラムのひとつです。
ここは廃校ではなく、すでに住む人のなくなった個人宅を活用させるプログラムです。岡山県総社駅から徒歩5分ほどの所にある池上秦川邸は驚くほどしっかりした古民家でした。簡単にいえば「こんなりっぱな古民家を活用しないのはもったいない」ということです。私邸ですので、学校ほどには地域に影響を及ぼすものではありませんが、それでも、総社の案内人をされている市民の方々にとっては、かねてよりとても気になる場所であったようです。

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AAFで知り合いになり、西ノ島のプログラムでもお世話になったNPO 法人ハート・アート・おかやまの田野智子さんを中心に企画された廃屋活用プログラムでしたので、地域と建物活用という視点で参加させていただきました。その一つが「池上会議 家族の歴史と地域再生〜私事とpublicの交差が生み出すもの〜」でした。全体の構成は、地域・歴史・個人・公共を連結するものであり、意義深いものでした。田野さんは、池上邸を基点において、総社(地域)・郷土史(時間)・池上邸オーナー(人)とを結びつけたのです。また池上秦川邸でのアートプログラムとしては、伊達伸明さん岡田毅志さん達がディレクションされて「池上遊覧鉄道」を実現させました。「池上遊覧鉄道」は地域の歴史と池上家の歴史を交差させてプレゼンテーションしたものです。また思いがけなく、田野さんと松浦との関係が、総社と西ノ島にある焼火神社との関係に結びつくというご縁もありました。

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総社の案内人の方々もこの企画に興味を示され、積極的に参加されたようです。つまり、総社という地域と池上邸という建物の関係が再び発見されたのです。私宅がその役割に限定されるものでなく、公共の中に活用される道を開いたということでもあります。
直接的に廃校活用と結びつくものではありませんが、地域と建物という脈絡では共通項があります。池上邸に滞在すると、総社という地域を意識させ、また、逆にその地域では異空間を感じさせる不思議な場でもありました。これが「場」の力を体験させることになります。「不思議空間」を感じさせる建物は訪れる人に貴重な存在感を提供しました。廃校活用においても今回の体験を参考にさせていただきたいと思います。

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<開催概要データ>
[企画名]「廃校・廃屋活用調査」
[実施日]2011年10月9日(日)
[招聘者]NPO法人 ハート・アート・おかやま【岡山県岡山市】
[訪問者]隠岐アートトライアル実行委員会【島根県隠岐郡西ノ島町】
[訪問地]岡山県総社市「池上秦川邸」
 
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<タイムテーブル>
◎10月9日(日)
松山発8:10→総社着11:10
14:00〜16:00:池上会議「家族の歴史と地域再生〜私事とpublicの交差が生み出すもの〜」(会場:岡山県総社市門田491 池上秦川邸)
18:00〜22:00:車座座談会(会場:新粋(倉敷市))
第一部:池上会議
司会進行 田野智子(NPO法人 ハート・アート・おかやま代表理事)
池上眞平(池上邸オーナー)
芹沢高志(アサヒ・アート・フェスティバル事務局長)
松浦道仁(隠岐アートトライアル実行委員長)
上記出席者と参加アーティスト達によるシンポジウムが開催された。
第二部:参加者で「廃屋活用方法」をテーマにディスカッションを行った。
倉敷泊
◎10月10日(月) 倉敷泊
◎10月11日(火)
倉敷発11:15→米子着13:15→境港14:15→西ノ島着17:00


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<執筆者プロフィール>
松浦道仁/島根県隠岐郡西ノ島町にある焼火神社宮司、隠岐アートトライアル実行委員会委員長。現在「隠岐アートトライアル」で廃校の有効活用を実験中。「美田学校再生協議会会長」・西ノ島町観光協会副会長・隠岐ジオパーク実行委員会人材育成部副会長。