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交流プログラム 2010.07.29

2010交流支援プログラムレポート02 「青森アート・ネットワーク会議」

各地域間の自発的な交流を促すために、AAF2006より実施している「地域間交流支援プログラム」。それぞれの現場やまちの空気にふれながら、担当者同士あるいは実行委員と担当者がお互いの現状をゆっくりと話し合い、アイデアやノウハウの交換を行う交流の場が全国各地で生まれています。
AAF2010の交流支援プログラム2つめのレポートは、「ゲストハウスタウンプロジェクト実行委員会」(岡山県岡山市)と「NPO法人 あおもりNPOサポートセンター」、「teco. LLC」(ともに青森県青森市)による交流企画、報告は小森真樹さん(ゲストハウスタウンプロジェクト実行委員会)です。
 
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青森県のteco.LLCの方々にご招待いただき、青森市、十和田市、八戸市などを美術関連施設を視察した。国際芸術センター青森、ホテル山上、空間実験室などの周辺各施設を見学した後、teco.LLCのオフィスに伺ってお互いの活動を中心に意見交換した。その後teco.LLCの方々と八戸に向かい、アサダワタルさんを交えてパネルディスカッションを行った。
26日から28日にかけて各施設を見学した後、teco.LLCのメインオフィス「青森王余魚沢スタジオ」へと向かう。空港裏の開けた山間部、旧・王余魚沢(かれいざわ)小学校の建物を利用したこの施設は、オフィスとして利用していてもやはり「教室」という言葉が似合う。立木さん、奈良岡さん、對馬さん、三上さんらに連れられてまず時間を過ごしたのも体育館。休憩時間に腕を磨いたという三上さんに相手をしていただいた卓球では、文句の言いようがないほど惨敗した。そんなゆるい空気で施設を案内していただき、組織の概要と経緯、現在のプロジェクトと将来的な展望について伺った。

kajico_1.jpgのサムネール画像

例えば、立木さんからおもちゃのプロジェクト「森トイプロジェクト」における商品プロデュースについて話を伺う。「お客さん」志向と制作サイド志向のバランスのこと、商品開発と(児童保育施設など)地域コミュニティの関わり方など、その他の商品開発と同様、アートを地域社会に浸透させる場合にも、文脈づくり=プロデュースが重要であることを教えていただいたように思う。浸透させるというよりはむしろ、既に存在する何かの価値を「アート」という言葉で捉えなおす、というほうが適切かもしれない。
その後、改めてわたしたちのプロジェクト「かじこ」のプレゼンテーションを時間をかけて聞いていただく。仕組み、運営の具体的な話から設立経緯や目標・コンセプトなどの話まで総合的に聞いていただけたと思う。
質疑のやり取りから、むしろ自分たちでも曖昧な点を明確にすることができた貴重な機会だった。このプロセスから自分たちのアイデアや運営を客観的に捉えなおすことができたことは非常にありがたい。
例えば、私たちは滞在型スペースという場所を設置することで地域の創造性の文脈づくりをしているのではないか、と考えるようになった。「地域の創造性」というのは岡山という特定の場所の創造性ということではなく、単にこのスペース自体やスペースにいる人たちを通じて、滞在者に伝わっていく創造性すべてのことである。堅い枠組の単一の文脈ではなく、柔軟で多彩ないくつかの文脈が自動生成するハブメディアのようになることを意識し始めた。

kajico_2.jpg

その後アテンドしていただいた八戸市では、アサダワタルさんによる「八戸の棚REMIX!!!!!!!!」の企画として「かじこ」についてディスカッションした。teco.LLCの方々にも参加していただく。アサダさんによるプライベートな空間をパブリック空間化する「住み開きアートプロジェクト」などの活動と、アートプロジェクトとしてのゲストハウス運営「かじこ」それぞれの制作意図について意見交換した。

aaf_3.jpg

王余魚沢で考えたハブメディアということに関連して、「場づくり」を素材にしたプロジェクトにおける主体性の在りかたを考えた。「主体性」というときに何を指すのか。その場でおこる各々の出来事の主体性と、場づくりの主体性をどう区別するのか、また区別すべきなのか。そこで起こるできごとに対して、場づくりをしている主体はどう距離をとるべきか。
上記二つのセッションでお互いのプロジェクトを比較しながら、自分たちのプロジェクトについて考えた。文脈づくりとはいかに創造的でありうるのだろうか。


<開催概要データ>
[企画名]「青森アート・ネットワーク会議」
[実施日]2010年6月25日(金)〜29日(火)
[招聘者]NPO法人 あおもりNPOサポートセンター、teco LLC(青森スタジオ)
[訪問者]ゲストハウスタウンプロジェクト実行委員会


<タイムテーブル>
◎6月25日(金)夜 東京発(自家用車)
◎6月26日(土)
八戸:朝魚市、古牧温泉
十和田:昼食、Arts Towada、十和田市現代美術館「草間彌生展」
青森:19:00〜 Nadegata Instant Party「24 our television」
国際芸術センター青森(ACAC)
※アテンド:teco.LLC 奈良岡真弓さん、對馬眞さん、三上真嗣さん/非営利団体アートチャンネルトワダ実行委員会代表 苫米地祥文さん/十和田市現代美術館特認館長 小林ベイカー央子さん
◎6月27日(日)
Nadegata Instant Party「24 our television」 〜19:00
打ち上げ、青森市内で夕食
ホテル山上(Maemachi Art Centre)泊
◎6月28日(月)
空間実験室
teco.LLC(青森市浪岡王余魚沢)にてお互いのプロジェクト紹介(プレゼン、卓球、記念撮影)
八戸:八戸ポータルミュージアム「はっち」(建設中)、「八戸の棚REMIX!!!!!!」(アサダワタル)、八戸横丁
※アテンド:空間実験室ディレクター日沼禎子さん/teco.LLC立木祥一郎さん、奈良岡さん、對馬さん、三上さん
◎6月29日(火)
八戸市内朝市
青森発(自家用車)


<執筆者プロフィール>
小森真樹╱東京大学大学院。芸術社会学、ミュージアム・スタディース。
カルチャー誌の分析から美術史の境界形成の政治学を研究。社会/芸術の関係を学びつつ、両者の関係を実験するプロジェクト「かじこ」に携わる。