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アートリンク・アートパーティ 2007

検証チームとして、8月26日に「アートリンク・アートパーティー2007」のモニタリングを行いました。
まず、展示最終日にも関わらず、ひとつひとつ丁寧にガイドしていただき、さらに作家さんや参加者の方々にも直接話を伺うことができました。ひとえに、NPO法人アート・おかやま代表理事の田野智子さんや真鍋剛一さんをはじめ、展示の企画者である、三宅航太郎さんや湯月洋志さん、女将の皆さん等々ありがとうございました。

今回の会場である「アートスペース油亀」は、築130年という出石町でも古い家屋で、取り壊す予定だったそうです。そこで、アートスペースとしての再活用の声がまちの中で起こり、それに偶然アートリンク・アート・パーティの開催が重なったということでした。出迎えてくださったのは、作家とのペア制作を行った、障害のある人たちのお母様たち。皆さんは、「旅館」の女将さんに扮していました。

そもそも、アートリンク・アート・パーティ2007のコンセプトは、「会場を旅館に見立てて様々なお部屋にご招待する」というものでした。各部屋は、「○○の間」と名づけられ、そこで作家や障害のある人が公開制作をしたり、作品の解説やペアでの掛け合いがあったり、旅館のごとくくつろいでいたりと日常をそのまま味わうことができました。

「二見の間」では、あるペアがボランティアと共に旅行中の様子を再現し、実際に浴衣を旅館から借りて着ており、また旅館から見えた風景写真を拡大して窓に貼っていました。また「笠岡の間」では、シンプルにライブ音源が流されていました。これは、笠岡諸島でのワークショップを兼ねた合宿企画で、あるペアが島 民の方々を前に行ったライブの様子でした。どの部屋にある作品も、ひとつの作品として完結しているわけではなく、「これは?」と作品までの関係性を伺うことでわかるという仕掛けになっていました。

これまでのペア制作の作品展示形式とは違った、「関係性=間」を体感できる場だと実感しました。「間」の体感は、最後のイベントであるあるペアのライブでも感じられました。このペアは、特に今期様々な場所でのライブを行っていたようですが、その時・場でのインスピレーションによって歌詞が変化するライブとなっていたようです。

この後さらに、アートリンク・クラブパーティが近くの城下公会堂で行われ、若者と障害のある人たちとのコラボレーションやダンスで盛り上がりました。今回のモニタリングでは、アートリンクプロジェクトにおける関係性はもはや、作家×障害のある人だけに収まらないほどのリンクの複雑さを持っていたということを強く感じさせてくれるものでした。(検証チーム・高橋)

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映画時間〜コザ街歩き映画祭〜

スタジオ解放区による、「映画時間〜コザ街歩き映画祭〜」は、まさにタイトルそのままのプロジェクトでした。

沖縄市のコザ地区にあるアーケード街「銀天街」を舞台に、いろいろな場所と時間に映画を上映する。つくる。観る。映画のある生活空間、生活空間が舞台になっている映画が、街を万華鏡のような空間に変容させています。中乃湯という銭湯での上映会では、僕も生まれてはじめて全裸で映画を観ました。これは通常の銭湯の営業時間内に行われていたので、映画上映を知らない近所のおじいさんが、ふつーに入っていらっしゃって、とてもおかしかったです。

銀天街アーケード内で行われた上映会の様子は、銀天街の八百屋さんが開設されているブログに詳しくリポートされていますので、ぜひご覧ください。
・コザの八百屋の独り言 http://yaoya.koza.in/

一柳亮太さんが講師となっている、コザの銭湯を探すワークショップに参加しましたが、スタジオ解放区に集まるコザの子どもは、みんな本当に元気!油断しているとすぐよじ登ってきます。大人の男性は”乗り物”と認識しているらしい・・・。グループに分かれての銭湯(と銭湯跡)を探すゲームは、小学校2年生の女の子がリーダーとなって、みんなをぐいぐいとひっぱっていきます。スタジオ解放区のコザでの取り組みは、5年になりますが、小学生から参加している子どもが、高校生になっても参加してくれているそうです。

「映画時間」会期のちょうど中盤の”反省会”のパーティにも参加させていただきました。前述のブログの古堅さんをはじめとする、コザの商店街の皆さまに、まちのお話を伺っていると、「うーん、それはキング牧師が暗殺された頃だよ」とか「照屋の公民館でもブラックパンサーの集会があってさ」などという話がポンポン出てきます。米軍基地に隣接し、多大な影響を受けてきたまちならではのエピソードです。ベトナム戦争時のコザは、ものすごい好況で、バーでは一日で家一軒立つほど儲かったそうで、沖縄全島から人が押し寄せてきたそうです。米兵や外部からやってきた人と否が応でも多文化状態を日常としてきたまちならではの、寛容な懐の深さも、コザの魅力の一つのようです。

スタジオ解放区の林さんと藤森さんは、プロジェクト全体の切り盛りと、作家としての作品制作で、ものすごい労働量だったとのことですが、「映画時間」というシンプルなコンセプトが、コザのまちと化学反応を起こし、ゆるいつくりながら、不思議空間がギラっと垣間見える優れた時空間でした。

コザの銭湯での上映会、まち歩きワークショップ、パーティに参加していて、内地(沖縄以外の日本)の印象とずい分と違和感を感じたので、合間に首里城(伝統建築)・那覇市内(現在の繁華街)・名護(住宅街)を歩き、沖縄におけるコザの特色を捉えようとしてみましたが、いまひとつ分かりません。ワークショップの講師の一柳さんに伺ったところ、内地ではいわゆる伝統的な地域行事や労働歌・お祭りの主体となるコミュニティの経験を持っているのは、70歳以上という感じですが、沖縄では、40歳代の人でも伝統的なマインドを持っているとのことです。

映画というビジュアルアートによって、目に見えない(インビジュアルな)地域の特性が顕在化するという点がアートプロジェクトの持つ面白さでしょうか。

商店街の皆さんや、アーティスト、旅の途中でぶらっと寄った学生までもが、のんびりと居付いてしまう、スタジオ解放区ですが、その地道な取り組みが認められて、沖縄市のチャレンジショップ事業として新たに、住民の手によるまちとアートの場「銀天大学」という事業も始まっていました。

アートプロジェクトをきっかけに、まちが変わりつつある予感を感じさせる、「映画時間〜コザ街歩き映画祭〜」でした。(検証チーム・下山)

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WAP2007に行ってきました

WATARASE ART PROJECT2007」(以下、WAP2007)に行ってきました!

WAP2007は、わたらせ渓谷鉄道の沿線一帯を会場とした、アートプロジェクトです。45組のアーティストが、6つの駅+電車の中までを使ったスケールの大きさに驚くのと、このプロジェクトの運営をほぼアーティストのみで行っているという点に驚かされます。

検証チームとしては、全エリアを見ないことにはっ!とがんばって全エリアを鑑賞させていただきました。さらに、本プロジェクトのわたらせ渓谷鉄道は、足尾銅山の運用列車がルーツということなので、今は閉鎖されている銅の精錬所、それから銅山の一部始終を見つめてきたとも言える龍蔵寺にお参りし、さらには「足尾銅山観光」に行ってトロッコに乗り坑道跡にももぐってきました!足尾銅山周辺の今については、このページがオススメです。
http://www.sankei.co.jp/special/kiko/tone/tone_05.htm

WAP2007のエリアは、それぞれ趣きが異なります。足尾エリアは、鉱山の社宅を使った展示で、もっとも足尾銅山を感じさせるものでした。神戸(ごうど)エリアは、石材工場跡を会場にした展示で、光がとても美しいものでした。花輪エリアは、WAP2007のインフォメーションセンターも兼ねているのと、旧花輪小学校、今泉邸といった沿線の重要なポイントが含まれています。大間々エリアは、旧マンガン工場を会場にした、見ごたえのある展示と、石蔵の会場です。
さらに、沢入駅と本宿駅のホームの展示(電車の中から見えます)、電車の中までも仕掛けがあったり。WAP2007を全部見ると、結果的に、日本近代史の舞台を見ることになります。足尾駅と通洞駅の間の水場を使った野外インスタレーションもすてきでした。

足尾銅山は、近代史を正負両面で代表するような場所であり、非常にドラマティックな場所です。WAP2007の20代のアーティストは、この先人のドラマを安直に作品に取り入れることなく、それぞれのスタンスで足尾の歴史に敬意を表しつつ対峙していることが伝わってくる展示でした。

商店の数も多くなく、ファミレスもない、現代っ子にとっては非常に過酷な環境で創作に取り組む苦労を、代表の的場さん、皆川さん、上原さんに伺いました。
45組のアーティストは全員フラットな関係なので、調整も一大事。システマチックに運営されるプロジェクトとは異なる苦労の連続だったそうですWAP2007は、アーティストのケアをしてくれるスタッフも自前で調達しなければいけない部分も多く、結果的にアーティスト本人が会場と交渉したり、材料を運んだり、歴史の重みを感じさせる会場と展示の折り合いをつけたり、など多大な積極性を要求されるので、結果的にアーティストが非常にたくましくなるという効果も狙っているとのことです。

アートプロジェクトは、プロデューサー側からの依頼でアーティストが呼ばれるケースも多いですが、WAP2007はアーティストが主導して、運営もアーティスト自身によって行われているケースとして、非常に成功している例です。今後は、AAFのネットワークにも積極的にコミットしていきたいということなので、とても楽しみです。

9月2日のクローズまで、イベントも盛りだくさんなので、夏の思い出として、クーラーもなければ、コンビニもないWAP2007でアートと歴史の濃密な対話に立ち会ってはいかがでしょうか?(検証チーム・下山)

※画像は、WAP 2007 オリジナルデザインの「わたらせ渓谷鐵道一日フリー乗車券」