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WAP2007に行ってきました

WATARASE ART PROJECT2007」(以下、WAP2007)に行ってきました!

WAP2007は、わたらせ渓谷鉄道の沿線一帯を会場とした、アートプロジェクトです。45組のアーティストが、6つの駅+電車の中までを使ったスケールの大きさに驚くのと、このプロジェクトの運営をほぼアーティストのみで行っているという点に驚かされます。

検証チームとしては、全エリアを見ないことにはっ!とがんばって全エリアを鑑賞させていただきました。さらに、本プロジェクトのわたらせ渓谷鉄道は、足尾銅山の運用列車がルーツということなので、今は閉鎖されている銅の精錬所、それから銅山の一部始終を見つめてきたとも言える龍蔵寺にお参りし、さらには「足尾銅山観光」に行ってトロッコに乗り坑道跡にももぐってきました!足尾銅山周辺の今については、このページがオススメです。
http://www.sankei.co.jp/special/kiko/tone/tone_05.htm

WAP2007のエリアは、それぞれ趣きが異なります。足尾エリアは、鉱山の社宅を使った展示で、もっとも足尾銅山を感じさせるものでした。神戸(ごうど)エリアは、石材工場跡を会場にした展示で、光がとても美しいものでした。花輪エリアは、WAP2007のインフォメーションセンターも兼ねているのと、旧花輪小学校、今泉邸といった沿線の重要なポイントが含まれています。大間々エリアは、旧マンガン工場を会場にした、見ごたえのある展示と、石蔵の会場です。
さらに、沢入駅と本宿駅のホームの展示(電車の中から見えます)、電車の中までも仕掛けがあったり。WAP2007を全部見ると、結果的に、日本近代史の舞台を見ることになります。足尾駅と通洞駅の間の水場を使った野外インスタレーションもすてきでした。

足尾銅山は、近代史を正負両面で代表するような場所であり、非常にドラマティックな場所です。WAP2007の20代のアーティストは、この先人のドラマを安直に作品に取り入れることなく、それぞれのスタンスで足尾の歴史に敬意を表しつつ対峙していることが伝わってくる展示でした。

商店の数も多くなく、ファミレスもない、現代っ子にとっては非常に過酷な環境で創作に取り組む苦労を、代表の的場さん、皆川さん、上原さんに伺いました。
45組のアーティストは全員フラットな関係なので、調整も一大事。システマチックに運営されるプロジェクトとは異なる苦労の連続だったそうですWAP2007は、アーティストのケアをしてくれるスタッフも自前で調達しなければいけない部分も多く、結果的にアーティスト本人が会場と交渉したり、材料を運んだり、歴史の重みを感じさせる会場と展示の折り合いをつけたり、など多大な積極性を要求されるので、結果的にアーティストが非常にたくましくなるという効果も狙っているとのことです。

アートプロジェクトは、プロデューサー側からの依頼でアーティストが呼ばれるケースも多いですが、WAP2007はアーティストが主導して、運営もアーティスト自身によって行われているケースとして、非常に成功している例です。今後は、AAFのネットワークにも積極的にコミットしていきたいということなので、とても楽しみです。

9月2日のクローズまで、イベントも盛りだくさんなので、夏の思い出として、クーラーもなければ、コンビニもないWAP2007でアートと歴史の濃密な対話に立ち会ってはいかがでしょうか?(検証チーム・下山)

※画像は、WAP 2007 オリジナルデザインの「わたらせ渓谷鐵道一日フリー乗車券」

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京都の2つのプロジェクト

大枝03」では、朝から大枝地区周辺の様々な風景を案内していただくだけでなく、飛び入りでワークショップにも参加することができました。AAF窓口担当の廣有利佳さんをはじめ、椎原保先生、水口菜津子さん、中島彩さんありがとうございました。 「アートフェスタin大山崎町2007」では、日が迫っていたワークショップ準備の制作の傍らで、全3プロジェクトの報告と進捗状況等々を伺うことができました。京都造形芸術大学の学生の方々、今回のコーディネートをしてくださった北口香さんをはじめとした、プロジェクトセンターの方々、ありがとうございました。

大枝03」は、椎原先生のガイドつきで、大枝地区にかけての風景を見て回ることから始まりました。京都の細い道に古い家並みが多く、一方でニュータウンとしての都市計画で作られた家々と緑がありました。大枝土蔵の前を通り、昨年の「大枝02」のプロジェクトが行われた、上の池、下の池で大枝地区を一望しました。この周辺は来るたびに柿畑であった土地に立ち入り禁止の柵ができているそうで、柿畑がなくなっていく=京都第二外環状道路建設という変化が今起きていることがわかる瞬間でした。その後向かった首塚や歴史のある墓地、いわれのある場所は残され、大枝にある墓地や柿畑は徐々に消えていく様子をまちの人は、半ばあきらめの目で見ているそうです。それぞれに、自然的人工的要素の強弱で様々なまちの顔を見せている地区という印象を持ちました。

 一通りの大枝ガイドコースを回っていただいてから、今度は飛び入りで「自分の地図を作ってみようワークショップ」に参加しました。1時間ほど、参加者と大枝土蔵周辺をナスやきのこ、雑草や花を見つけては拾い、サル除け・鳥除けの音がする方へ自由に歩き回っていました。参加者の誰もが、植物や虫に小さな気づきに敏感になったような気がしました。途中で、「大枝博士」の「安井農園」で売られている野菜を買い、いつものように水口さんはご主人に捕まって話しこんでいました。

土蔵に戻って、プロジェクターと鏡を使った装置で大枝の地図をトレーシングペーパーに映し出しました。歩いた場所や建設予定地を確認してから、トレーシングペーパーに拾った草花を貼り、歩く中で気づいた光や音を思い返しながら、地図を作っていきました。途中参加になってしまいましたが、大枝という「地」を五感で感じることができたイベントでした。

アートフェスタin大山崎町2007」のモニタリングは、3つに分かれたプロジェクトの学生スタッフをはじめ、京都造形芸術大学のプロジェクトセンターの方々から直接、お話を伺うことから始まりました。

8月5日に開催された「光なぞとき アートパズルであなたの「まなざし」再発見」は、一つ一つを見ることから鑑賞の形を探っていくことを目指して行われたイベントでした。そしてその通り、プロジェクトのメンバーでの予行練習ではわからなかった見方をすぐに発見されて、無限の鑑賞の形を参加者の声から知ること ができたそうです。こうした参加者とプロジェクトメンバーの対話や発見を実現したのも、キーとなるパズル制作でのプロの協力やプロジェクトメンバーが「みる・かんがえる・はなす・きく」鑑賞方法を習得した結果ではないかと思いました。

9月8・9日に向けてフル活動中の「宮本亜門×造形大生7名によるお茶会プロジェクト」では、学生たちがお茶の知識ゼロの状態から「新たなお茶会」に向けて勉強をはじめて、現在は2種類のお茶会の準備を進めていました。プロジェクトを立てる時点で、「茶」をテーマしたいと考えていたときに、京都造形芸術大学の宮本先生によるプロジェクトとの一致から実現したものの、先生主導ではなく学生と共につくりあげていく方針をとられていました。2種類のお茶会についても伺いましたが、それは今後のお楽しみとのことです。

インタビューの後に、ワークショップで使う竹ドームの制作を見学しました。学生だけでなく、プロジェクトセンターの方々も作業に加わっていました。この竹ドームは、地域の竹林ボランティアの方々に協力いただきながら集めた竹を使っていました。今回のモニタリング会場である、離宮八幡宮は8月3〜5日の「竹灯籠ライトアップ&ライブイベント」でも会場として使われました。油を絞り灯明としていた場所であっただけに、地域の素材を使った本イベントはまちの人々にとってとても親しみやすく、正月並みに鑑賞者が集ったと、八幡宮の方から声をいただきました。(検証チーム・高橋)

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めくるめく紙芝居2007

近江八幡に伺った翌日、「めくるめく紙芝居2007」のモニタリングに伺ってきました。主宰の井手上さん、ボランティアスタッフの小笠さんと平井さん(お二人とも京都橘大学)にお話を伺い、その後現在進行中のワークショップに参加させていただきました。

このプロジェクトは、アーティストの林加奈さんの発案でスタートし、井手上さんの「エイブルアートのマネジメントを考えたい」という考えと合致し、昨年2006年にスタートしました。NPO法人わくわくの知的障害を持つメンバーと、アーティストのコラボで、「紙芝居」を基調とした舞台作品の上演に向けて、ワークショップが進められています。「知的障害を持つメンバーのパワーがすごい!」という林加奈さんにより、山下残さん、井上信太さん、HANA★JOSSというアーティストが声をかけられ、アーティストチームも強力です。

「めくるめく紙芝居」では、昨年の上演にあたり、障害者が出演する公演の詳細なマニュアルを作成しているという点がすばらしいと思いました。出演者・観客ともに障害者が多い公演ならではの安全配慮等を、ボランティアスタッフとミーティングを重ねながらブラッシュアップし、当日スタッフにも配布したそうですが、このようなマニュアルは、エイブルアートが盛り上がっている現在でも、他所では作られていなかったとのことです。ワークショップの記録も細かくされていて、非常に緻密にマネジメントされているプロジェクトです。実施にあたっては、徹底的に障害を持つ人の生活の場に足を運び、障害を持つ人の世界を理解することにつとめたということで、公演フライヤーのデザインひとつとっても、障害を持つメンバーの意見を丁寧に聞き反映させたものを製作されていました。

京都市山科身体障害者福祉会館に場所を移し、林加奈さんによるワークショップに。以前、コミュニティアート・ふなばしで、野村誠さんのワークショップを実施していたときや、イベントにP-ブロッに出演いただいたときにも林さんとは面識があったのですが、林さんリードのワークショップは初体験です。参加者は、障害を持つメンバー(20代-50代)とサポートスタッフが半々で約20名。

今年の「紙芝居」は、”巻物”スタイルということで、会場には障子紙が広げられ、アクリル絵の具が用意されます。また、おもちゃや民族楽器などなど、さまざまな楽器がマットの上に広げられ、皆さん思い思いに手にしたりしなかったり・・・。

「いつになったら始まるのかなぁー?」と思っていたら、明確な”開始”の合図も、”終了”の合図もない展開に正直とまどいました。
途中も、林さんからの指示はなし。皆がそれぞれ絵を描いたり、楽器を鳴らしたり、ただ寝っころがっているだけだったり。それがいつの間にか、歌いはじめる人、さらには踊りはじめる人が出てきたり、となんだかわからないうちにすごい盛り上がりに。

後で林さんに伺ったところ、現時点は、2回目の公演に向けたワークショップが始まったばかりで、昨年から継続して参加しているメンバーと新規メンバーのノリに差があるので、参加者の”得意わざ”をよく見たり、参加をすこしずつ促すためのいわば”ネタ出し”の段階なので、あえて構成をしない形態のワークショップにしているとのこと。緻密な観察と配慮によって設計されたゆるさということで、ワークショップリーダーとしての林さんの力量がよく分かるお話でした。

めくるめく紙芝居2007は、来年3月の公演に向けて、ワークショップを重ねていくということです。本番では何がおきるのか、楽しみです。

お忙しいなか、インタビューにお付き合いいただいた井手上さん、小笠さん、平井さん、そして林さん、ありがとうございました!(検証チーム・下山)