.

夏の旅

門仲天井ホール向井山朋子さんの「夏の旅」がはじまりました。
あらかじめつくられた音のコラージュ。これは、「夏の旅」がこれから回っていく東京、仙台、山形、岩手、札幌の、そこに住む人々が集めてきたさまざまな街の音を、彼女が大胆にリミックスしたものです。コンサートでは、この音のコラージュが、シューベルトの「即興曲」やシミオン・テン・ホルトの「カント・オスティナート」といった曲に重ねられ、彼女自身のプログラムノートによれば、「わたしのシューベルト」が生まれていくのです。それは、いま現在の私たちが生きる現場の音を混入させ、「金字塔のような「古典作品」をすこしだけ」自分に引き寄せてみる試みであり、向井山さんはいかにも彼女らしいやり方で、シューベルトへの敬愛を表現したのでしょう。聴いているぼくはどうだったかと言えば、刻々と姿を変えていく東京の夕暮れと夜が、縦長の窓から垣間見られる門仲天井ホールの空間のなかで、最近身に起こったさまざまなことがらの思い出や感情が、現れては消え、現れては消えていきました。まるで打ち寄せる波のように。
演奏の後には後藤繁雄さんとのトーク。写真はその様子です。(事務局・芹沢)

.

AAF2007グランドオープン

7月7日、アサヒ・アートスクエアでAAF2007のグランド・オープニングパーティーが開かれました。昨年よりかなり多く、300人以上のお客さまが集まってくださいました。参加企画からは「アシェー・ブラジル・バイーア!!」のカポエィラ・テンポや「サタデー チャンゴ フィーバー」のチャンゴといった大迫力のパフォーマンス、そして「淡路島アートフェスティバル2007」のともきんさんの楽しい歌も披露され、大いに盛り上がりました。ぼくはパーティーの準備で見られませんでしたが、この日は隅田川の水上バスの上で森下真樹さんのダンス・パフォーマンスもあり、多くの方に楽しんでいただけたようです。これからおよそ2ヶ月間、全国各地でさまざまなAAFプログラムが展開されていくことになります。ご期待ください。(事務局・芹沢)

.

AAF学校で「向島とアート」

6月28日はAAF学校。AAF2007に参加してくれている東京近郊の企画チームにお話をうかがう、前期プログラムの最終回でした。現代美術製作所の曽我さんに「アートで育む地域のネットワーク —向島のプロジェクトを振り返って」という題目で話していただきました。現代美術製作所は1997年の開設だから、ちょうど10年目。AAFとの関係も交えながら、この10年を振り返ってくれたのですが、あらためてすばらしい活動を展開されてこられたなと思います。日本有数の木造密集地域で高齢化も進む向島において、アートが果たしてきた役割、さらにはコミュニケーションを重視するリレーショナルなアートへの接近や、都市計画系の活動との出会いや相互触発など、もちろん向島という地域に密着した「小さな歴史」なんだけど、おそらくは日本各地で進行する問題意識とも深く呼応しているから、日本のこの10年間を振り返るような思いがして、非常に聞きごたえのあるお話でした。ゲストで来てくれた地元の大工である北条さんや東工大でまちづくりを勉強している田中さん、それにAAF2007参加企画「向島芸術計画2007」に参加しているアーティスト住中さんも、いかに彼らがこうした地域の活動に巻き込まれていったか、気取らず話してくれて、とにかく臨場感あふれる講義でした。(事務局・芹沢)