コラム各地からの「もの」便り

vol.10

『大山崎に生きつづける竹』

佐藤杏さん(アートフェスタin大山崎町2007実行委員会)
アートフェスタin大山崎町2007京都府大山崎町

コラム写真
「大山崎町の名産はなんですか?」

この質問に地元の人は、「歴史と竹かなぁ」と答えるでしょう。そう、この地で起きた豊臣秀吉と明智光秀の戦いは、“天下分け目の天王山”として現代でもよく知られています。また、大山崎町は江戸時代に“油座”としても栄え、明治に入るまで自治区として発展しました。そんな大山崎町の長い時間を見守ってきたのが、何を隠そう豊富に育つ“竹”なのです。

竹林に一歩入ると風が笹の葉をなでるやさしい音が広がり、天までまっすぐに伸びる竹に圧倒されます。アサヒビール大山崎山荘のかつての所有者である加賀正太郎も竹に魅了されたひとり。山荘の装飾にタケノコのレリーフをほどこした程です。

工場や近代交通路が迫っている現在、それを見続ける竹は、町に被せられた近代に反発するかのように悠然と育っています。

私たち、アートフェスタin大山崎は、大山崎町の歴史を見守り、現在に生きつづける竹を用いて、この町に新たな光をともします。


   



佐藤杏
1989年生まれ。東京都出身。京都造形芸術大学 歴史遺産学科 文化財保存修復コース 1回生。アートフェスタin大山崎町2007のプロジェクトに参加。個性的すぎる先輩方、悩める同級生達、時に厳しく優しい先生方に囲まれる大学生活、日々成長中。
佐藤杏さん