アサヒ・アート・フェスティバル 2004 提携企画
ボーダレス・アートギャラリーNO-MAオープン記念企画展
「私あるいは私 〜静かなる燃焼系〜 」

本展は、このたびオープンいたしましたボーダレス・アートギャラリーNO-MAの開館を記念して開催するものです。このギャラリーでは障害の有無を超え、作品を通じて、人が持つ表現へのエネルギーが交差する、新しいアートの場所を目指しています。 
その幕開けとなる今展では、テーマを「私」に置きました。 

人は表現をしなくても死ぬわけではありません。しかし、有史以来を眺めても、人はものを作ったり表現行為をすることを決して手放さないでいるのです。たとえそれが何の役に立たなくても、また、他人に見られる事がまるで無くても、人は惜しげもなく膨大なエネルギーをそこに注ぐことができるのです。

 「障害者」という言葉があります。「アーティスト」という言葉があります。それぞれに社会の中での位置や属するシステムは確かに違います。しかしそんな区分を飛び越えて「表現者個人」というフィールドでとらえると、通底する何かがありありと見えるのです。そしておもしろいことに、そこにはアートを楽しむ要である「人間の多様な快楽の有りよう」がずいぶんまっすぐに見えてきてしまうのです。

この企画展では、自分自身の好奇心や固執した世界に向かう探求心が強引に放出されている作家、作品を、いろいろな意味での区分を超えてセレクトしています。それぞれの表現はそれぞれ個々人の内燃系から生まれ、そのあがきも陶酔もきっと孤独なものでしょう。けれどそれゆえに、どこかにむかって放たれ何かに届くことを希求しているのだとも言えます。ぜひ、ゆっくりと作品と出会いに来てください。時を超えた古く懐かしい町屋の中で、あなたの燃焼系にも静かに点火してみませんか。

会期

2004年7月3日(土)〜9月20日(月・祝)
〈毎月曜日と7月20日(火)は休館・7月19日(月・祝)は開館〉
時間 午前11時から午後6時

会場 ボーダレス・アートギャラリーNO-MA(滋賀県近江八幡市永原町16)
入場料

個人   400円
団体   300円(団体は20名以上)

主催 ボーダレス・アートギャラリーNO-MA開設記念展実行委員会
社会福祉法人 滋賀県社会福祉事業団
後援

NHK大津放送局  滋賀県  滋賀県教育委員会  近江八幡市
近江八幡市教育委員会

協賛 アサヒビール株式会社  松下電器産業株式会社
協力 滋賀県立近代美術館  信楽青年寮  玉山岡本病院  野間清六邸   八幡学区第三区自治会
問い合わせ先 滋賀県社会福祉事業団企画事業部
滋賀県甲賀郡甲西町若竹町25−13サングリエール甲西1F
TEL:0748-75-8615  FAX :0748-75-8868
E-mail:plan-do3@hukusi-shiga.net http://www.hukusi-shiga.net/jigyoudan/

出品作家

初代宮川香山  Miyagawa Kouzan  明治が流出させた幻のジャポニズム
明治維新以来の急進的な西欧化の動きの中、世界博覧会への出品に向けて数々の陶  磁器工房が国の奨励政策の元に疾走した時代があった。中でも香山は独自の美学と空  前絶後の至芸の技で量産を拒み私的信念を貫き、当時の欧米で最高の評価を獲得して  いた。執念の収集家、田邊哲人が海外から買い戻した幻の香山作品に出会える。

伊藤喜彦  Ito Yoshihiko  細胞分裂を繰り返すおびただしい鬼面
信楽青年寮という施設に暮らす彼は作陶歴30年にも及ぶ。集団生活にありながら  制作も暮らしもあくまで一人を主張する。以前は粘土を自分の唾液で接着した、そんな自己の分身としての鬼面を、誰かに所有して欲しいと強く願うのか、自らの作品に彫り込む値札は、他者を求める記号のようにも思える。

岩崎 司  Iwasaki Tukasa 極私的祈り詩歌画
精神を病んで入院生活になるまでは市会議員も務めていた。今は病院のベット一つ  の空間が唯一の私物である。洪水のようにあふれ出るイメージを、身辺で入手でき得る最小限の材料を使って表現している。心の苦悩と怒りを沈静させながら、祈りのような制作が続いている。

森村泰昌  Morimura Yasumasa モリムラがとらえた私的フェルメールの部屋
  17世紀の画家フェルメールの最高傑作「画家のアトリエ」(別名「絵画芸術」)を、彼の名画シリーズとして新制作した。世界に多々有るフェルメール研究家の諸説に、表現者自身としての森村泰昌が新機軸の視点で挑む、「フェルメールのアトリエ」が日本の和室に立体空間として出現することになる。

高嶺 格  Takamine Tadasu 忘れかけていた身体と脳の新しい回路
思考よりも体験や行動を優先させた表現を続けている彼は、「身体と脳のコラボレーションを可視化する」と語る。今展の出展作品はギャラリー裏庭にある蔵の暗闇の中で不可思議な時間を体験させてくれる。あなた自身のイメージを自由に浮遊させ、自分自身の位置をゆっくりと確認して欲しい。
     
関連イベント

1.ワークショップとコンサート  7月31日(土)
  ○ワークショップ「夏休み!遊ぼうぜ子どもたち!!私がつくる私のアート」
時間:午後1時〜4時(受付12時30分〜)
会場:第三区自治会館(近江八幡市博労町中)
参加費:200円
ナビゲーター:中西恵子・宍戸信子(遊び感覚でアートを楽しめるダンスや造形を障害の有無を問わず提案しているユニット。)

○コンサート「NO-MAの小さな夏祭り」
時間:午後6時〜8時(受付5時30分)
会場:ギャラリーNO-MA裏庭
入場料:500円ONEドリンク付き(このチケットで展覧会も8時までご覧いただけます)
出演:月と蛙(三線やギターを弾きながら和風民謡ロックのテイストで聴かせる、美しく力強い歌声の二人、清水彩月&岡部わたる。)
2.トークショー「”表現”という名の謎」  8月21日(土)
  時間:午後2時〜4時(受付1時30分〜)
会場:第三区自治会館(近江八幡市博労町中)
展覧会チケット半券で入場
講師:鷲田清一(大阪大学大学院文学部研究科教授・哲学をベースに身体、自分、他者、制度などの問題を論じ、独自の研究領域を開き、広く人間存在や表現、他者との関係をユニークな観点で説く。)
3.身体表現ライブとトーク  9月4日(土)
  時間:午後6時30分〜8時(受付6時〜)
会場:ギャラリーNO-MA向かいの野間清六邸
入場料:1,000円 
定 員:40名 予約制
申込先:滋賀県社会福祉事業団 TEL0748−75−8615
「みみをすます(谷川俊太郎同名詩より)」
出 演:岩下徹(京都造形芸術大学助教授。山海塾でも活動する、即興のソロダンサー。自分の身体一つでその場に立ち「いま、ここ」に生まれる動きの衝動に限りなく忠実であろうとする。ダンスに馴染みのない人も白紙で自由に楽しめる。)
4.ギャラリートーク 「作品紹介」 7月24日(土)
  9月5日(日)
時間:午後2時〜3時    
紹介者:はたよしこ(今展の企画担当)